鹿児島大学 石畑名誉教授が、パパイン酵素、ポリフェノール、β‐クリプトキサンチン、イソチオシアネートなど、カラダに有効な成分を含むパパイヤの健康食品としての研究を紹介するサイトです。
私たちは、食べ物から栄養を補い、体のエネルギー源としています。このときに、食べ物を消化・吸収したり、吸収された栄養をエネルギーに変えたりするのが、酵素です。
酵素は、食物の消化や、栄養の吸収、皮膚や骨の生成、排泄、新陳代謝や免疫の促進など、私たちの身体に大変重要な働きを持っている成分です。
もし、酵素が不足すると食物を分解できなくなり栄養が吸収されなくなるだけでなく、蓄積された有害物質も排出できずに溜め込んでしまい、その結果、生活習慣病など、様々なトラブルの原因になってしまいます。
酵素は「体外酵素(食物酵素)」と「体内酵素(消化酵素と代謝酵素)」に分類することが出来ます。
「体外酵素」は、食物に含まれる酵素で、消化する働きを持ちます。
「体内酵素」は、人体で作られる酵素です。この体内酵素は大きく2つに分類され、消化を促す「消化酵素」と、エネルギーの燃焼、新陳代謝や免疫など、生命維持活動に関係する「代謝酵素」になります。
これら体内酵素と体外酵素のバランスを上手くとることで、代謝機能を高め、脂肪分解を促すといわれています。
「体内酵素(消化酵素と代謝酵素)」は、一定量しか作れないようになっています。 つまり、食べすぎなどによって消化酵素が大量に消費されると、体内で作られる酵素の大半が消化酵素となり、代謝酵素を機能するエネルギーが急激に不足してきます。その結果、体にさまざまな悪影響が現れてくるようになるのです。胃やすい臓などの消化器系の負担、ストレスや代謝不足。結果、肥満、冷え性、肌のむくみなどは代表的な例です。
たんぱく質・糖質・脂質を三大栄養素と呼びますが、酵素を含む食品の多くは、たんぱく質分解酵素のみ、糖質分解酵素のみ、脂質分解のみといったように、特定の栄養を分解する酵素しか含んでいません。
ですから、三大栄養素を分解する食物酵素をすべて含んだ食べ物を色々と摂らなければなりません。ですが、青パパイヤ、パパイヤの葉にはこの三大栄養素を分解する酵素がすべて含まれていることで知られています。
また、スーパーなどにいくとさまざまな食品が出回っていますが、中でも酵素の含有量で抜き出ているのがパパイヤ。酵素の働きが優れていると最近注目を集めています。パパイヤの研究の結果、青パパイヤやパパイヤの葉にはパパイン酵素という食物酵素がとくに豊富に含まれていることが分かったのです。青パパイヤの表面を傷付けると、白い乳液状の液体がしみ出します。この液体の中に豊富に含まれているのがパパインです。完熟した黄色いパパイヤにはパパインが少なく、傷を付けても乳液状の液体はしみ出しません。パパインはタンパク質分解酵素の一種で、硬い肉でもすぐに柔らかくするほど強力な働きがあります。しかもパパインには、ほかのタンパク質分解酵素にはない特別な能力も。それは、種類を問わずどんなタンパク質でも分解してしまうことです。通常のタンパク質分解酵素は、特定のタンパク質しか分解できません。例えば、肉にはアクチン・ミオシン・コラーゲンなど多くのタンパク質がありますが、パパインは、それらすべてのタンパク質を分解する力を持っているのです。さらにパパイヤには、パパイン以外の酵素も豊富に含まれています。青パパイヤの酵素の量は熟したパパイヤのなんと約10倍。さらに酵素の多いことで知られるパイナップルの約6倍にも達します。
※写真の青果についている白い液が、パパイヤの酵素を豊富に含んだ乳液です。青果に少し傷をつけると乳液があふれ出てきます。この青パパイヤには三大栄養素を分解する酵素がすべて含まれます。
つまり、青パパイヤやパパイヤの葉は、消化効果がはるかに強力なため、代謝酵素の働きが高まり、身体のリズム調整やダイエットにも効果的なのです。
食後のデザートに適していると言われるのも、パパイン酵素の分解力が期待されるからです。特に肉類を食べた後は、その効果が発揮されるでしょう。青パパイヤ、パパイヤ葉には、酵素が大量に含まれている上、食物繊維や抗酸化力の強い色素成分も豊富です。
また、パパイヤにはパパイン酵素だけでなく、カタラーゼ(さまざまな病気や老化を招く活性酸素を消去し、アルコールの分解を促す酵素)、アミラーゼ(でんぷんを分解する酵素)、リパーゼ(脂肪を分解する酵素)、プロテアーゼ(タンパク質を分解する酵素)、トレハラーゼ(体内のインターフェロンの働きを高め、免疫力を高める酵素)など、多くの有効な酵素が含まれています。
どんなに栄養をとっても、酵素によって分解されて、身体の中で吸収・分解されなければ、意味がありません。パパイヤは、存在する植物の中で一番の分解酵素を豊富に含んだ植物。栄養を正しく吸収分解します。
※果物として食べる熟して黄色くなったパパイヤには、ほとんどパパイン酵素は含まれておらず、消化促進作用や食肉軟化作用は期待できません。パパイン酵素は青パパイヤや、パパイヤの葉に多量に含まれています。