パパイヤ研究レポート

4.メタボ予防から発ガン抑制(ガン予防)まで
「β-クリプトキサンチン」

がんの食事療法でも期待のパパイヤ。
注目の抗酸化成分が「β-クリプトキサンチン」です!!

■「β-クリプトキサンチン」とは

 パパイヤの多彩な栄養成分のうち、パパインをはじめとした酵素やポリフェノールなどはすでによく知られていますが、忘れてはならないのが「β(ベータ)-クリプトキサンチン」。β-クリプトキサンチンはオレンジ色の色素で、カロテノイドの一種です。
 カロテノイドは私たちの体内では作れない貴重な成分で、抗酸化や発ガン抑制(ガン予防)など健康にとって重要な働きをしており、がんの食事療法でも注目されています。
 植物由来の抗酸化栄養素のことを総称して「ファイトケミカル」といいますが、カロテノイドはファイトケミカルの代表でもあります。ファイトケミカルは、五大栄養素と食物繊維に続く「第七の栄養素」とも呼ばれることがある注目の栄養素です。
 最近の研究では発ガン抑制(ガン予防)、粘膜の強化、骨代謝活性化、脂質代謝改善などの作用が確認・推測されています。

■「β-クリプトキサンチン」は生活習慣の悩みを解決する

 近年の研究でβ-クリプトキサンチンのさまざまな機能が報告され、「特別なカロテノイド」であることが分かってきました。(Faure et al.,1999; Chew and Park,2004,矢野昌充,2005)たとえばβ-クリプトキサンチンの血中濃度や摂取量とがん発症率との関係が認められ、「高摂取者(血中高濃度者)ほどがん発症率が低い」という結果が発表されています。
 がんの食事療法についてはさまざまな候補があげられていますが、中でもβ-クリプトキサンチンの豊富なパパイヤへの期待はますます高まっていくことでしょう。
 またβ-クリプトキサンチンには、「脂質代謝を改善」する作用があることも分かってきました。最近の研究では、脂肪細胞への分化や脂肪細胞の肥大化を抑制するなどの機能によって、中性脂肪やLDLコレステロールの減少にも貢献していることが報告されています。パパイヤのダイエット成分といえば最初に上げられるのは「酵素」ですが、β-クリプトキサンチンもそろえばまさに「鬼に金棒」。メタボリックシンドロームが心配な方にはぜひ、β-クリプトキサンチンが豊富なパパイヤ、とくに栄養豊かな「青パパイヤ」と「パパイヤの葉」をおすすめしたいと思います。

■「β-クリプトキサンチン」の発がん抑制作用

 β-クリプトキサンチンは「抗酸化物質」として活性酸素を攻撃し、また発がん物質を無毒化する過程で一時的に生じた強い発がん性物質に対しても、それを代謝する酵素を増やして速やかに対応するようです。また、β-クリプトキサンチンの摂取量が少ない集団と多い集団のがん発症率を比べた調査では、いくつかの臓器について発がん抑制効果が推測される結果が出ているということです。β-クリプトキサンチンは他のカロテノイドにはない優れた生理機能を持つと考えられ、今後の研究成果に大きな期待が寄せられています。

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